
滝沢市の空き家解体補助金はいくら?上限額と対象になる条件を解説

滝沢市(旧・岩手郡滝沢村)の実家が空き家になっていて、解体を考えているものの、費用が気になっている方へ。
滝沢市には、危険な空き家の解体費用を補助する制度があります。
補助されるのは工事費の5分の4で、上限は建物の状態によって50万円または100万円です。
ただし、どの空き家でも使えるわけではありません。
市の調査で一定の基準を満たすと判定される必要があり、申請できる人にも条件があります。
この記事では、補助額と対象になる条件、市への相談から補助金が振り込まれるまでの流れを順に整理しました。
あわせて、補助金を使ってもなお残る負担についてもお伝えします。
滝沢市の空き家解体補助金はいくらか
滝沢市の「危険空家等除却工事補助金」は、倒壊などの危険がある空き家を解体する費用の一部を、市が補助する制度です。
| 区分 | 補助額 | 対象になる建物 |
|---|---|---|
| 危険空家等 | 工事費の5分の4(上限50万円) | 市の基準で、傷み具合の評点が100点以上と判定された空き家 |
| 特定空家等 | 工事費の5分の4(上限100万円) | 倒壊の危険などから、市が「特定空家等」と認めた空き家 |
補助率はどちらも同じですが、上限額は2倍違います。
どちらに当たるかは市の調査で決まるため、まずは調査を依頼するところから始まります。
たとえば、滝沢市で30坪の木造住宅を解体すると、費用はおよそ116万円が目安です。
その5分の4は約93万円ですが、危険空家等なら上限の50万円まで、特定空家等なら約93万円が補助の対象になります。
注意したいのは、補助の対象になる工事費にも上限があることです。
国が定める基準額を超える部分は対象にならないため、実際の工事費の全額に5分の4が掛かるとは限りません。
正確な補助額は、見積もりをもとに市に確認してください。
※令和8年10月時点で、滝沢市の公式サイトで確認した内容です。
今年度の受付状況や募集件数は、市の都市整備部 都市政策課にお問い合わせください。
滝沢市以外の市町村の補助制度や、構造別の解体費用の目安はこちらで解説しています。
岩手の実家解体はいくら?市町村別の費用相場と補助金、解体前の注意点
対象になる建物と、申請できる人の条件
補助金を受けるには、建物と申請する人の両方が条件を満たす必要があります。
| 建物の条件 | 内容 |
|---|---|
| 使われていない期間 | 住まいとして、またはその他の用途で使われていない期間が1年以上 |
| 建物の傷み具合 | 市の基準による評点の合計が100点以上 |
| 解体の時期 | 補助金の交付決定を受けた日より後に工事を始めること |
| 申請できる人の条件 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 個人であること(法人は対象外) |
| 所有者との関係 | 登記簿または固定資産台帳に載っている所有者、またはその相続人 |
| 共有名義の場合 | 共有者全員から、解体についての同意を得ていること |
| 抵当権がある場合 | 抵当権者を含む、すべての権利者から同意を得ていること |
| 過去の受給 | 本人も世帯員も、過去にこの補助金を受けていないこと |
この中で、実際に申請の妨げになりやすいのが共有名義と抵当権です。
親から相続した実家が兄弟の共有名義になっている場合、共有者の誰か一人でも同意しなければ申請できません。
連絡が取りにくい相続人がいると、それだけで手続きが止まってしまいます。
また、建物に住宅ローンなどの抵当権が残っている場合は、金融機関の同意も必要になります。
完済しているのに登記上の抵当権が消されていない、というケースも少なくありません。
相続登記がまだ済んでおらず、名義が亡くなった方のままになっている場合も、まず誰が所有者なのかを整理するところから始める必要があります。
共有名義になっている、抵当権が残っている、相続登記が済んでいない。
こうした場合は、補助金の申請以前に権利関係の整理が必要になります。
当社は土地家屋調査士と宅地建物取引業者を兼ねており、登記や持分の確認からご相談いただけます。
市への相談から補助金が振り込まれるまでの流れ
申請はいきなり申請書を出すのではなく、建物の調査を依頼するところから始まります。
- 市の都市整備部 都市政策課に相談する
- 危険空家等の調査を依頼する(調査依頼書を提出)
- 市が現地を調査し、危険空家等・特定空家等に当たるか判定する
- 解体業者から見積もりを取り、補助金の交付を申請する
- 交付決定の通知を受ける
- 解体工事に着手する
- 工事が終わったら、写真や領収書を添えて完了を報告する
- 補助額が確定したら請求し、指定の口座に振り込まれる
最も注意したいのは、交付決定の通知を受ける前に工事を始めてはいけないことです。
先に着工してしまうと、条件を満たしていても補助の対象から外れます。
解体業者と工事日程を決めるのは、交付決定を受けてからにしてください。
また、補助金は年度ごとの予算の範囲で交付されます。
県内では、年度の途中で予算の上限に達して受付を締め切った自治体もあります。
使う予定があるなら、年度の早い時期に相談しておくのが確実です。
解体が終わった後には、もう一つ手続きがあります。
建物を取り壊したら、1ヶ月以内に「建物滅失登記」を申請しなければなりません。
これを忘れると、登記簿の上では建物が残ったままになり、後で土地を売るときに問題になります。
この登記は土地家屋調査士の仕事です。
放置し続けた場合に起きること
補助金を使うかどうかに関わらず、空き家をそのままにしておくと負担は増えていきます。
滝沢市は「滝沢市空家等対策計画」を策定し、令和7年3月に改訂しています。
この計画では、空き家は所有者が自らの責任で管理することを基本としています。
管理が行き届かず、倒壊の危険や衛生上の問題がある空き家は、市から助言や指導を受け、改善されなければ勧告、命令と段階が進みます。
最終的には、市が所有者に代わって解体し、その費用を請求する「行政代執行」に至ることもあります。
さらに、勧告を受けた時点で、土地の固定資産税を軽くしている「住宅用地の特例」が外れます。
土地の固定資産税が数倍に上がることもあります。
滝沢市は冬の積雪も多く、屋根の雪下ろしや、春から秋の草刈りといった管理の手間もかかります。
離れて暮らしている方にとっては、往復の時間と費用だけでも大きな負担です。
空き家の固定資産税の特例や、解体・残置物撤去の費用については、こちらで詳しく解説しています。
固定資産税の空き家対策どうする?
補助金を使っても残る負担|解体しない選択肢もあります
補助金を調べている方の多くは、すでに解体する方向で考え始めているのではないでしょうか。
ただ、決める前に確認していただきたいことがあります。
自己負担は残る
補助金には上限があるため、解体費用の全額がまかなえるわけではありません。
危険空家等で上限50万円の場合、30坪の木造住宅なら66万円ほどは自己負担になる計算です(約116万円−50万円)。
残置物の処分や、ブロック塀・庭木の撤去などが加われば、負担はさらに増えます。
解体した翌年度から固定資産税が上がる
建物を取り壊すと、住宅用地の特例が使えなくなります。
固定資産税は毎年1月1日時点の状態で決まるため、解体した翌年度から土地の税額が上がります。
更地のまま持ち続ければ、この負担が毎年続きます。
更地にしても、売れるとは限らない
滝沢市は盛岡市に近く、土地を探している方が比較的多い地域です。
ただし市内でも、駅や幹線道路から離れた地区では、更地にしても買い手が付きにくいことがあります。
また、敷地が道路に2m以上接していない土地は、今の建物を壊すと新しい家を建てられません。
解体したことで、かえって活用の道が狭まることもあります。
建物を残したまま手放す方法もある
解体費用をかけずに、建物が残った状態のまま不動産会社に買い取ってもらう、あるいは引き取ってもらう方法があります。
解体や片付けを買主側で行うため、売主が先にまとまった費用を用意する必要がありません。
相続した空き家を売る場合には、売却益から最大3,000万円を差し引ける特例もあります。
令和6年からは、売った後に買主が取り壊す場合も対象になりました。
解体するかどうかで、税の扱いが変わることもあるのです。
解体は、一度してしまうと元に戻せません。
補助金を申請する前に、その土地が更地になったらどう評価されるのか、建物を残したまま手放せないかを確認しておくことをおすすめします。
空き家が売れる家か売りにくい家かの見分け方と、3,000万円控除の条件はこちらで解説しています。
盛岡の空き家は売れる?売れない家の見分け方と3つの手放し方
解体するかどうかを決める前に、その土地が更地になったらどう評価されるのかを確認しておくことをおすすめします。
建物の価格や解体費用、固定資産税などを入力するだけで、おおよその状況が分かります。
まとめ
滝沢市の危険空家等除却工事補助金は、解体工事費の5分の4を、危険空家等なら上限50万円、特定空家等なら上限100万円まで補助する制度です。
使うには、市の調査で基準を満たすと判定されることと、申請する人が条件を満たすことの両方が必要です。
特に、共有名義の実家や、抵当権が残っている建物は、関係する全員の同意が必要になります。
また、交付決定を受ける前に工事を始めると対象外になるため、業者との契約は決定後にしてください。
そして、補助金を使っても自己負担は残り、解体した翌年度からは固定資産税が上がります。
建物を残したまま手放す方法もあるため、解体を決める前に一度確認しておくことをおすすめします。
当社は土地家屋調査士と宅地建物取引業者を兼ねており、相続登記や共有持分の整理、解体後の滅失登記から、土地の売却や買取までを一つの窓口で対応しています。
滝沢市の実家について、解体・売却・買取のどれが向いているか、状況を伺ったうえで整理してお伝えします。
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