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岩手の実家解体はいくら?市町村別の費用相場と補助金、解体前の注意点

不動産売却

笹川 亮輔

筆者 笹川 亮輔

不動産キャリア16年

土地家屋調査士として土地・建物の調査、測量、登記に携わる一方、不動産実務16年の経験を活かし、空き家・相続不動産・売却が難しい「負動産」の問題解決に取り組んでいます。現地調査から売却・買取・利活用まで、不動産の状況に応じた最適な出口戦略をご提案しています。


岩手県内の実家を解体しようと考えたとき、まず気になるのは費用ではないでしょうか。

この記事では、盛岡市・滝沢市・奥州市などの市町村別に、構造ごとの解体費用の目安を整理しました。あわせて県内で使える補助制度、業者選びで確認すべきこと、着工までに必要な届出の流れもお伝えします。

そのうえで、最後にもう一つお伝えしたいことがあります。解体して更地にすると、固定資産税が上がります。そして岩手県内では、更地にしても買い手が付きにくい地域があります。

解体を決める前に、費用と一緒に確認しておいていただきたい点までを含めて解説します。

岩手県の解体費用相場|市町村別・構造別の目安

解体費用は「坪単価×延床面積」でおおよその見当をつけることができます。まずは県内の代表的な市町村について、木造住宅の坪単価の目安を見てみましょう。

市町村 木造の坪単価(平均) 価格の幅 30坪の木造住宅の場合
盛岡市 約38,200円 約26,200〜55,600円 約115万円
滝沢市 約38,700円 約24,400〜63,500円 約116万円
奥州市 約40,300円 約27,100〜63,500円 約121万円

同じ木造でも、市町村によって数万円の差が出ます。これは重機を入れられる道路の幅や、隣の家との距離、廃材を運ぶ処分場までの距離といった条件が地域ごとに違うためです。

鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)になると、壊す手間と廃材の量が増えるため、坪単価は上がります。

構造 坪単価の目安 30坪の場合
木造 約3.8万〜4.0万円 約115万〜121万円
鉄骨造 約4.6万〜5.7万円 約139万〜171万円
RC造 約8.3万円 約248万円

また、延床面積が小さい家ほど、1坪あたりの単価は高くなる傾向があります。重機の運搬や養生といった、建物の大きさに関係なくかかる費用があるためです。

ここに挙げた金額は、2024年までの実勢価格をもとにした目安です。実際の費用は、次のような条件で大きく変わります。

  • 家の中に家具や家電が残っている(残置物の処分費)
  • アスベスト(石綿)を含む建材が使われている
  • 地中に古い基礎や井戸、浄化槽が埋まっている
  • ブロック塀や物置、庭木なども撤去する

特に残置物は、量によっては数十万円かかることもあります。正確な金額は、現地を見てもらったうえでの見積もりで確認してください。

岩手県内で使える解体の補助制度

費用の次に知っておきたいのが補助制度です。岩手県内では、いくつかの市町が空き家の解体に補助を出しています。

市町 補助の内容 主な条件・注意点
北上市 解体費用の3分の2(上限70万円) 住民税非課税であることなどが条件。令和8年度分は予算の上限に達し、受付を終了
花巻市 解体費用の2分の1(上限は区域によって異なる) 解体後の跡地に住宅や店舗などを建て、5年以上使うことが条件
奥州市 除却費用の5分の4(上限50万円) 倒壊の危険があると判定された空き家が対象。募集は6戸
岩泉町 空き家等の解体への補助あり 令和8年9月に制度が改正。最新の補助率と上限額は町に確認
盛岡市 解体そのものへの補助は確認できず 家財処分の補助(上限10万円・空き家バンク登録が条件)はあるが、令和8年度は受付を一時停止中

※令和8年10月時点で、各市町の公式サイトで確認した内容です。

盛岡市は、県内で最も空き家の相談が多い地域ですが、解体費用に使える補助は見当たりませんでした。盛岡市内の実家を解体する場合は、基本的に全額を自己負担する前提で考えておく必要があります。

補助制度を使うときに注意したいのは、次の3点です。

解体業者と契約する前に申請が必要です。 ほとんどの制度は、工事を始める前に申請して交付の決定を受けることが条件です。先に解体してしまうと、補助の対象から外れます。

予算がなくなると締め切られます。 北上市のように、年度の途中で予算の上限に達して受付が終わることがあります。使う予定があるなら、年度の早い時期に相談しておくのが確実です。

対象となる空き家の条件が自治体ごとに違います。 倒壊の危険があると判定された空き家に限るもの、解体後の土地の使い道まで条件になっているものなど、さまざまです。まずは市町村の担当窓口に、ご自身の家が対象になるかを確認してください。

滝沢市で実家の解体を考えている方は、補助金の申請の流れをこちらで詳しく解説しています。
滝沢で実家解体を検討中ですか?補助金申請の流れと注意点

補助制度が使えるかどうかは、建物の状態や所有者の状況によって変わります。まずはご自身の不動産が今どういう状態にあるのかを確認しておくと、判断しやすくなります。

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解体業者の選び方|確認すべき許可と見積もりの見方

解体業者を選ぶときに、最低限確認しておきたいのは許可と見積書の2点です。

まず許可です。解体工事を請け負うには、建設業許可(解体工事業)を持っているか、県に解体工事業の登録をしていることが必要です。また、解体で出た廃材を自社で運ぶ場合は、産業廃棄物収集運搬業の許可も必要になります。業者のホームページや見積書に許可番号が書かれているかを見てください。

次に見積書です。「解体工事一式」とだけ書かれた見積書は、後から追加費用を請求されるもとになります。次のような項目が分けて書かれているかを確認しましょう。

  • 建物本体の解体費
  • 廃材の運搬費と処分費
  • 残置物の処分費
  • ブロック塀や庭木などの撤去費(付帯工事)
  • 整地費
  • アスベストの事前調査費

見積もりは2〜3社から取り、金額だけでなく、現地を見たうえで出された見積もりかどうかも比べてください。現地を見ずに出した見積もりは、工事が始まってから金額が変わりやすくなります。

着工までの届出と近隣対応の流れ

解体工事には、いくつかの届出が必要です。多くは業者が代わりに進めてくれますが、施主として流れを知っておくと安心です。

建設リサイクル法の届出。 床面積の合計が80㎡以上の建物を解体する場合は、工事に着手する7日前までに届出をする必要があります。届出の義務があるのは工事の発注者、つまり施主です。実際には業者が委任を受けて代行することがほとんどです。

アスベストの事前調査。 建物を解体する前には、アスベストを含む建材が使われていないかを調べることが義務付けられています。床面積80㎡以上の解体では、調査結果の報告も必要です。

ライフラインの停止。 電気やガスは、工事前に止める手続きをしておきます。水道は粉じんを抑えるための散水に使うことがあるため、止める時期を業者と相談してください。

近隣への挨拶。 工事の数日前までに、騒音や粉じん、工事車両の出入りについて近隣にお知らせしておきます。業者が回ってくれることも多いですが、施主が一緒に挨拶すると、その後の関係が穏やかになります。

建物滅失登記。 見落とされがちなのが、解体後の登記です。建物を取り壊したら、1ヶ月以内に「建物滅失登記」を申請しなければなりません。これを忘れると、登記簿の上では建物が残ったままになり、土地を売るときや、固定資産税の扱いで問題になることがあります。この登記は土地家屋調査士の仕事です。

解体する前に確認したいこと|更地にすると税が上がり、売れるとは限らない

ここまで解体の費用と手続きを見てきましたが、実際に解体を決める前に、確認していただきたいことがあります。

解体すると固定資産税が上がる

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、土地の固定資産税が軽減されています。敷地のうち200㎡までの部分は、税額の計算の基になる評価額が6分の1に、それを超える部分は3分の1になる仕組みです。

建物を取り壊すと、この特例は使えなくなります。固定資産税は毎年1月1日時点の状態で決まるため、解体した翌年度から、土地の税額が上がります。更地のまま持ち続けると、この負担が毎年続くことになります。

更地にしても、売れるとは限らない

「古い家を壊して更地にすれば売れやすくなる」と考える方は多いのですが、岩手県内ではそうとは限りません。盛岡市の中心部や、矢巾町・紫波町・滝沢市といった盛岡に近いエリアは、土地を探している方が比較的多く、更地にすることで売れやすくなる場合があります。一方で、盛岡市の郊外や人口減少が進んでいる地域では、更地にしても買い手が付きにくいのが実情です。

さらに注意が必要なのは、敷地が道路に2m以上接していない土地です。こうした土地は「再建築不可」となり、今の建物を壊すと新しい家を建てられません。解体したことで、かえって活用の道が狭まることがあります。

建物を残したまま手放す方法もある

解体費用をかけずに手放す方法もあります。建物が残った状態のまま、不動産会社に買い取ってもらう、あるいは引き取ってもらう方法です。解体や残置物の片付けを買主側で行うため、売主が先にまとまった費用を用意する必要がありません。

また、相続した空き家を売る場合には、売却益から最大3,000万円を差し引ける特例があります。令和6年からは、売った後に買主が取り壊す場合も対象になりました。解体するかどうかで、税の扱いが変わることもあるのです。

解体は、一度してしまうと元に戻せません。費用をかける前に、その土地が更地になったらどう評価されるのか、建物を残したまま手放せないかを確認しておくことをおすすめします。

空き家の固定資産税の特例や、解体・残置物撤去の費用については、こちらで詳しく解説しています。
固定資産税の空き家対策どうする?

空き家が売れる家か売りにくい家かの見分け方と、3,000万円控除の条件はこちらで解説しています。
盛岡の空き家は売れる?売れない家の見分け方と3つの手放し方

解体費用をかける前に、その土地が更地になったらどう評価されるのかを確認しておくことをおすすめします。建物を残したまま手放せる場合もあります。まだ解体すると決めていない段階でご相談いただけます。

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まとめ

岩手県で木造住宅を解体する場合、30坪でおおむね115万〜121万円が目安です。ただし残置物やアスベストの有無、敷地の条件によって費用は大きく変わるため、現地を見たうえでの見積もりで確認してください。

補助制度は北上市・花巻市・奥州市・岩泉町などにありますが、条件や受付期間は自治体ごとに異なり、盛岡市には解体への補助が見当たりません。使う場合は、業者と契約する前に市町村の窓口へ相談してください。

そして、解体を決める前に確認していただきたいのが、解体した後のことです。更地にすると固定資産税は上がり、地域によっては更地にしても買い手が付きません。建物を残したまま手放す方法もあります。

当社は土地家屋調査士と宅地建物取引業者を兼ねており、解体後の滅失登記から、土地の売却や買取までを一つの窓口で対応しています。

岩手県内の実家や空き家について、解体・売却・買取のどれが向いているか、状況を伺ったうえで整理してお伝えします。
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